アイホップ

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アイホップ
IHOP Corp.
種類 株式会社
市場情報
略称 IHP
本社所在地 アメリカ合衆国
カリフォルニア州グレンデール(本部)
登記上の本社はデラウェア州
業種 サービス業
事業内容 レストラン
代表者 ジュリア・A・スチュワート(Julia A. Stewart、CEO
売上高 348,023千ドル(2005年度
従業員数 897人(2005年12月末)
外部リンク www.ihop.com
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店舗の例(ニューヨーク州ポキプシー

アイホップIHOP)は、朝食メニューに特化した、アメリカ合衆国を本拠とするレストランチェーンである。

メニューにはハンバーガーフライドポテトスープサラダのような品目も用意されているものの、中心となっているのはパンケーキ(ホットケーキ)ワッフルフレンチトーストオムレツブリンツのような朝食向きの食べ物である。

概要[編集]

1958年、ジェリー・ラピン(Jerry Lapin)、アル・ラピン(Al Lapin)とアルバート・カリス(Albert Kallis)がシャーウッド・ローゼンバーグ (Sherwood Rosenberg)の援助を受け、カリフォルニア州ロサンゼルストルカレーク地区に「The International House of Pancakes」を創業した。以後、アメリカ合衆国のほぼ全土に店舗を展開し「アメリカのアイコン」を自称しているほか、カナダブリティッシュコロンビア州メキシコヌエボ・レオン州モンテレイメキシコシティにも店舗を持つ。2006年12月31日時点での店舗数は1,302店舗。本部はカリフォルニア州グレンデール。

伝統的な合掌造りの同社店舗は徐々に減り、より実用的な店舗設計が用いられるようになったが、おなじみとなった青い屋根は残っている。「IHOP」というブランドを設定した当初は、International House Of Pancakesの頭文字「I」「H」「O」「P」部分を強調するロゴが用いられたが、現在は姿を消した。アイホップは、International House of Pancakesという長い名前の使用を段階的に、かつ正式に廃止してきた。また、ハンバーガーの提供開始を機に、2018年6月11日からブランド名を「IHOB」に改名したが、約1ヵ月後に「IHOP」に戻した。

一部店舗は年中無休24時間営業であり、クリスマス正月のような休日にも営業している。

最近の広告キャンペーンには「Why not eat breakfast for dinner tonight?」(今夜のディナーに『朝食』はいかが?)といった特徴的な宣伝文句があった。別のキャンペーンは、斬新な名前の付いたメニュー品目を中心に展開された。例えば「Rooty Tooty Fresh 'n Fruity Breakfast」[注釈 1]など。このメニューは、

のいずれかがトッピングされた2枚のバターミルクパンケーキと、好みの焼き方を注文できる目玉焼きベーコンソーセージで構成されている。

各テーブルにはコーヒーのボトルと、ブルーベリー味、ボイゼンベリーブラックベリーラズベリーの交配種)味、バターペカン味、イチゴ味のシロップが入った容器が置かれている。また、暖かいメープルシロップのサービスもある。

最近は、単なる朝食レストランを越えた存在になるべく、中核メニューに大きな変化が起きている。新しいメニューでは、ランチやディナーのメインディッシュが数々提供されている。

「International」(国際的)というチェーンの名称は、3つの中心的なクレープ風パンケーキに由来する。

などを巻いたクレープが、目玉焼きベーコンソーセージと共に「International Passport Breakfast」(国際パスポート朝食)として提供される。

近年、ヌテラデンマーク風(果物のコンポートと甘いクリームチーズ)などがメニューに加わった。フレンチトーストやベルギーワッフルのようなメニューが、「国際的」というテーマを更に強化している。

2006年2月28日、年に1度の「全国パンケーキの日」プロモーションを催し、すべての客に「short stack」(ショートスタック、パンケーキ3枚)を無料提供した。ちなみにアイホップの「full stack」(フルスタック)はパンケーキ5枚で、これは無料ではない。

日本のアイホップ[編集]

1978年株式会社長崎屋がInternational House of Pancakes社と提携し、郊外型洋菓子レストラン「アイホップ」(iHOP、iは小文字)を関東地方及び九州地方に展開した。のちに長崎屋の外食事業本部が分社独立し、子会社「株式会社おあしす」となる。

2000年に長崎屋が倒産。2001年、グループ再建の一環として、おあしすはアイホップ32店舗を株式会社ビストロゼンショクへ譲渡した。IHOP社との提携は解消。譲渡された店舗は他の外食店舗へ転換されたため、アイホップは日本から姿を消した。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「Rooty Tooty」はラッパの音を表す時に使われる擬音で「Fruity」と韻を踏んでいる。また「rooty-toot」は俗語で「伝統的な」「古臭い」などを表す言葉であり、「トゥッティフルッティ(Tutti‐frutti)」ともかかっている。また、リトル・リチャードの著名な曲「トゥッティフルッティ」の歌詞「Tutti frutti, au- rutti」がすぐに連想される。

出典[編集]

外部リンク[編集]