キャメルマート

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株式会社キャメルマートジャパン[1]
種類 株式会社[1]
市場情報 非上場
略称 キャメル
本社所在地 日本の旗 日本
028-3621
岩手県紫波郡矢巾町広宮沢1-265[1]
設立 1983年昭和58年)4月1日[1]
業種 小売業
法人番号 6400001003765 ウィキデータを編集
事業内容 コンビニエンスストアのチェーン本部
代表者 山川清(代表取締役社長
資本金 7150万円[1]
売上高 50億円(2002年度チェーン売上)
従業員数 28名
特記事項:当時の 会社概要 より
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キャメルマートは、岩手県に本社を置いていた日本のボランタリー・チェーンコンビニエンスストアである。現在[いつ?]は運営会社が存在しない。

概要[編集]

2023年時点で現存する唯一の店舗である秋田八幡平店(鹿角市)

最盛期は岩手県を中心に、秋田県山形県青森県に50店舗以上展開していた[2]

キャメルマートの運営母体である盛岡酒類商業協同組合は1948年に約450人が合計1230万円出資して協同組合を設立[3]、その後1973年12月に協同組合に加盟する店舗の活性化の為、岩手県に1号店がオープンした[4]

1998年8月、新社屋である本部センターが完成した。創業メンバーである当時の大坊忠社長にとってこれは夢の一つだった[5]

しかしながら2000年6月30日、運営母体である盛岡酒類商業協同組合が倒産。同年初旬から返済が出来なくなり、負債総額が約10億円にまで拡大していた[3]。そして2004年11月30日ファミリーマートに9店を譲渡した[6]。ファミリーマートは同年7月に盛岡市に初オープンしており、物流センターを設け多店舗展開を図ろうとしている最中であった[7]。加盟店の中にはファミリーマートではなく、全日食チェーンに加盟した店舗もある。

結果として、「店舗数45店、合計売上高63億7000万円を20世紀末には200店、300億円、本部利益1億円にする」という「SAP(サップ)‐20計画」は失敗に終わった[4]

2023年の時点では、秋田県にある「キャメルマート 秋田八幡平」が不動産会社の運営で唯一営業を続けている[2]

サービス[編集]

キャメルマートはサービス4原則(Friendly・Cleanliness・Fresh・Quality)を掲げ、積極的に新たなサービスに挑戦していた[8]

キャメルカード[編集]

1991年6月、直営店でキャメルカードというポイントカードを試験導入し、1992年4月には新しいキャメルカードを試験稼動させた[9]

買った金額がそのままポイントになり、5000ポイント貯める度に50円の割引券が付き、更に7冊貯めると500円の割引券が貰えるというシステムだった。ポイントを貯めるだけでは無く、ホテルニッポンレンタカーの割引や利用者の中から抽選で現金が当たる宝くじまであった[10]

キャメル便[編集]

2000年5月、キャメル便という宅配サービスを開始[9]カタログから商品を選び(店内の扱っている商品でも出来る場合あり)電話で注文。3000円以上で無料で、3000円未満は利用料として200円掛かった[11]

しかしながら、導入したもののあまり定着しなかった[12]

その他[編集]

主なサービスとして電話料金受入代行サービス、バイク自賠責保険取次ぎ、各種切符販売、インストア米飯惣菜ベーカリー販売など多様に行っていた[9]

沿革[編集]

  • 1973年(昭和48年)12月 - 岩手県に1号店がオープン。
  • 1983年(昭和58年)4月1日 - 株式会社キャメルマートジャパンを設立。
  • 1990年(平成2年)12月 - 秋田県に出店開始。
  • 1991年(平成3年)3月 - 山形県に出店開始。
  • 1992年(平成4年)7月 - 青森県に出店開始。
  • 1994年(平成6年)7月 - 50店舗突破[9]
  • 1995年(平成7年)
    • 6月 - 韓国眞露ベストア社とのコンビニエンスストア運営ノウハウ提供契約締結。
    • 12月 - 60店舗突破。
  • 1996年(平成8年)7月 - 70店舗突破。
  • 1998年(平成10年)8月 - 新社屋である本部センターが完成。
  • 2004年(平成16年)11月 - 加盟店29店のうち9店をファミリーマートに譲渡。
  • 2017年(平成29年)11月 - 個人経営にて営業を続けていた「キャメルマート いへい」が閉店。これにより、創業地である岩手県からキャメルマートが完全に消滅。残るのは秋田県の1店舗のみとなった。

店舗数[編集]

1985年3月 10店
1993年7月 45店
1994年7月 50店
1996年6月 68店
1997年6月 75店
2001年 65店
2002年 57店
2003年 59店
2003年12月 45店
2004年9月 57店
2017年9月 2店
2020年9月 1店
2023年4月 1店

マスコットキャラクター[編集]

キャラクタの描かれたレシート

キャメルマートにはマスコットキャラクターがおり、らくだの「らっくん」を始め、宴会星人・ ハラペコ星人・トコ夏星人・春咲星人がいた[13]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 流通会社年鑑 2003年版, 日本経済新聞社, (2002-12-20), pp. 480 
  2. ^ a b 佐藤仁彦「その名もキャメルマート 地方コンビニの雄、最後の1店は豪雪地帯に」『朝日新聞』、2023年4月9日。2023年12月12日閲覧。
  3. ^ a b 盛岡酒類商業協同組合が自己破産を申請 2000年7月10日 日本食糧新聞
  4. ^ a b 盛岡酒類商業協組を母体のVCキャメルマート、SAP20計画を推進 酒前面に拡大 1993年7月26日 日本食糧新聞
  5. ^ キャメルマートジャパン特集:大坊社長に聞く軌跡と今後抱負 1998年10月12日 日本食糧新聞
  6. ^ 営業財産の一部譲受けに関するお知らせ 2004年8月11日 ファミリーマート
  7. ^ 〈経済〉キャメルマートがファミリーマートへ営業譲渡 2004年8月26日 盛岡タイムス
  8. ^ キャメルマート サービス4原則
  9. ^ a b c d キャメルマート会社概要
  10. ^ キャメルマート キャメルカード
  11. ^ キャメルマート キャメル便
  12. ^ J-Net21 IT活用事例集 株式会社大坊酒店
  13. ^ キャメルマート らっくんの楽しい仲間たち

関連項目[編集]

外部リンク[編集]