スペード (シンボル)

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スペードのエース

スペード (spade) は、トランプなどで使用されるスートのひとつである。カードゲームではスペードのカードが一番強いルールとしているものが多い。

15世紀にフランスのルーアンリヨンで使われ始めたといわれている。

本来はの形状をしていた。ドイツではかわりに木の葉のマークが使われた。フランス式のスペードのマークはドイツの木の葉のマークに由来する。

フランス語の pique(槍)や、英語の spade(イタリア語の「spada」(剣)に由来、「鋤」を意味する spade とは無関係)は、いずれも本来の剣のマークに由来するもので、名称とマークの形が一致していない。

カードのデザインにおいてスペードのA(エース)は大きな記号で表現されることが多く、内部に模様が書かれることも多い[1]

特徴[編集]

コントラクトブリッジなど、いくつかのゲームでは、もっとも強力なスートとされる。

スペードのAはしばしば特殊な能力を持つ。オンブルや、日本のツーテンジャックナポレオンなどのゲームでは特に強力である。なお、明治初期以来、日本ではスペードのAのことを「スペキュレーション(英: speculation)」と呼ぶことがあるが[2]、それが何に由来するのかは不明である。

スペードのQは、いくつかのゲームで忌み嫌われる存在として扱われる。ハーツでは非常に大きなマイナス点を持っている。またババ抜きの西洋版であるオールド・メイドでは通常クラブのQを抜き、かつ同じ色のスート同士しか合わせることができないため、スペードのQが「ババ(オールド・メイド)」として残ってしまう。

符号位置[編集]

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+2664 1-6-25 ♤
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スペード (白)
White Spade Suit
U+2660 1-6-36 ♠
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スペード
Black Spade Suit

脚注[編集]

  1. ^ 稀にクラブ・ダイヤ・ハートのAもそれに合わせて大きな記号でデザインされているのもある。
  2. ^ 桜城酔士(1885)『西洋遊戯骨牌使用法(かるたのとりかた)』団々社 p.16 によれば、「スペキレーション」とは「主権者の意(いちばんうえのこころもち)」のことだという